2018/05/30 09:35

 奥の手とは・・・自力で出版してしまうことです!既存の出版社に企画を持ち込んでいるよりも、迅速確実な方法が、自分が出版社の役割を担ってしまうことでした。私が出版社になればいいのです。

 そして、それは決して難しくもムリなことでもなく、できると思われました。ここ数年、「出版で起業」「一人出版社を起こす」といった記事や本の広告をネット上で見かけるようになり、私は関心を持って見ていました。すでにやっている人が少なからずいるのですから、私にもできるはずです。

 個人で本を出すのであれば、自費出版という方法もあります。自分ですべての費用を負担し、業者に頼んで本にしてもらうものです。自費出版でも出来上がりは普通に本屋に並んでいる本とそん色なく、ネットショップや書店で販売するサービスを提供する自費出版業者もたくさんあります。買う側から見れば、出版社から刊行した本と、著者の自費出版本には、大きな差はありません。

 その方法も考えましたが、私は由紀先生の本を自費出版にはしたくありませんでした。自費出版はあくまでも、著者が自分の文章を「本」という形にするものです。仮にそれがあまり他人にとって価値のない文章であっても、著者がお金さえ出せば本にできます。自分の趣味で書き溜めた文芸作品や、自分史などを本の形にまとめるには、よい方法です。

 しかし、私は由紀先生が書いてきた文章には、個人の趣味や記録、というジャンルを越えた商業的な価値があるはずだ、と確信していました。だからこそ、社会に価値を提供し、多くの人に役立つ「商品」として世に出さなければ意味がない、という思いがありました。
 
 そこで、私が主宰している講師コンサルタント育成支援の団体「講師道錬成道場 雙志館」をベースとして、商業出版をするための条件を満たすよう、準備することにしました。